10年経って、見えるもの
〜穴田駅長と私たちの関わりは長いので、いまさらお恥ずかしいんですが。改めて本日はよろしくお願いいたします!穴田さんは駅長になられて、もう長いですよね。
穴田さん(以下=穴):ここの開業から10年いるからね。あっという間でした。ここに来る前?若い頃は大手企業のサラリーマンだったんですよ。工業用油圧機器、プレスとかの営業マンとして全国を回っていました。
それから親父が倒れちゃったのを契機に田舎に戻って実家の酒屋やって、配達とかも普通にやっていましたね。その頃は大規模のディスカウント系とかが出て来た頃だから、業態を変えなきゃなと思って。
同じディスカウント系にするか、コンビニにするか、免許があるから専門店になるかしか無い。そこから中津に近い場所で、新道(国道10号)が通るのに合わせてコンビニエンスストアを開店して、経営をやっていましたよ。もう息子に渡しちゃったけれど、15年前からやっていました。コンビニ業界も大変なんだけどね、別の店舗が出来たら客の取り合いなんかもあるし。でもそっちの方はうまくやっているみたいです。
ここの道の駅ができたきっかけは、商工会の青年部で小国の道の駅を視察にいったことですね。道(椎田道路など)ができるときに、素通りでは困る、何か止めなきゃということで見に行ったんですよ。それで「面白いよね」ということで。道の駅に来たのは、開業前に声をかけられたんですよ。
「オープン時期だけでもいい、2、3年でもいいから」と言われて来たのに…(笑)。ほんとは5年ぐらいでトップが変わらないと、ダメなんですけどね。頭が固まっちゃうからねぇ。
〜そういう経緯があってここに来られたんですね。やっぱり最初は…?
穴:いろいろ紆余曲折あったけれどね、最終的にはできましたね。最初は道の駅という名前も知られていなかったから大変だったけれど。だって最初はね、登録した生産農家も80名ぐらいで。「つくって売る」という習慣が無かったから、専業農家以外の理解を得るのは大変だった。「そういうのは絶対ダメ」って言っていたんだからね。各地域を説明して回って、それでも約80名ぐらいだったよ。で、出して売れるということで増えていったんですけど、それでも180名ぐらいですよ、
ここは。元々、米農家が多い場所なので、米の品質は頑張っていてとても良いけれど、野菜づくりに慣れていないのもあるんですけどね。でもこれが多かれ少なかれ、どこも実情だと思うね。
今では道の駅という存在自体がブランド化されて、お客さんも求める品質が高くなっているけれど、昔はそうじゃなかったよね。ちょっと休憩ができて何か買えればいいという感じで。販売員の対応にしても、どんどんレベルの高さが求められていたりします。3〜4年前からこだわっているお客さんが増えて来た、「ここは何が有名なんですか」「美味しいんですか」という問い合わせが増えて来てね。
マスコミに取り上げてもらうのは悪いことではないんですが、あまりに一部分をアピールされ過ぎて、それで頭でっかちになっちゃっているというか、先入観で来ちゃうというか。道の駅の方も「スーパーとは違う」と言っていても、だんだんマニュアル化されてポップがあったりカメラが付いていたり、当初の素朴な…、何か置いてあるというような趣、面白い発見があるという感じは無くなってきつつありますよね。
うちも仕掛けとして季節の節目に大きめのイベントを打ったりはしているけれど、今のお客さんは、もっと普段のさりげない感じ、細かな気配りが受けるし、それを求めている感じだね。5年前かな、あなたたちと取り組んだエコバックづくりや、エコなゴミ箱づくりなんかの頃は、話題性をとにかく求めていけばいい感じだったんだけど。今は話題性だけではお客さんは来ないね。よっぽどのものでないと当たらないです。商品も、普通のスーパーで地物の野菜とか置き始めているから大変だよね。うちも中津とかにアンテナショップ出しているんでアレなんだけど、やっぱり高速(東九州自動車道)ができるから、新しい顧客獲得へのPRとしても動かなければいけないからね。
〜やっぱりニーズでいうと、お客さんは「買い物」志向が強いんですかね。
穴:強いですね。商品に関しては、絶対な食の「安全」にこだわる志向がいまだに強いですよ。「スーパーのものと違って無農薬なんでしょ?」という感じがね。
でも例え曲がったキュウリでも良くても、実際には完全に無農薬で野菜をつくるのは至難の業であって。うちの直売所に出ている野菜でも減農薬、回数を減らすというのは浸透してきていますけどね。最近は商品の履歴を公開する傾向とかあるけれど、本当に公開したところで、それを見てお客さんが納得するんかな?と(笑)本気で心配ですね、その辺は。
〜生産者の方々もどうですか?全体的に高齢化が問題になっていますが…。
穴:もうくたびれているなんてもんじゃないよ(笑)。10年前は60でも、もう70でしょ?後継者の若いモンもいないし、そこが影響してくる。例えばイチゴの農家なんか、高齢化でかなり減りましたよ。得意な物をつくるだけで新しいものを作ろうとはなかなかできないし、冒険もできない。そこら辺が一番キツイかもね。
新しい物を出して欲しいけれど限度もあるから。ここは土産物じゃなくて野菜を買いにくるんだからねー。大きな問題です。
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●秋には満開のコスモス。古墳公園一面に広がって絶景です。