寒くなりました、冬本番です。2月のクローズアップは、嘉麻市にある「道の駅うすい」編です。飯塚市から小石原に抜ける県道90号線沿いにある「道の駅うすい」は、地元の特色を活かしながら、地域のニーズに密着した新しいスタイルを打ち出している駅として注目されています。今回は、そんな意欲的な試みをすすめている駅長・山口克己さんに、これまでの経緯やとりくみをざっくばらんに語っていただきました。



〜今回はよろしくお願いいたします。では恒例の質問ですが、山口さんが「道の駅うすい」に関わるようになった経緯を教えてください。

山口さん(以下=山):もともとは地元の鉄工会社で製鉄所向けの専用機械を設計する部署にいたんですよ。そしたら上司に「営業に向いとるぞ」と言われてですね。30代は景気も良かった頃なので営業マンとして全国を飛び回っていました。その後、あるコンビニエンスストアが店舗の指導員を募集していて、地元志向だったのでそれを受けて指導員15年ほどその世界にいたんですよ。


〜そうなんですか!当時はコンビニエンスストアが時代の寵児として、急成長していた時代ですよね。

山:そうですね。そこでは、情報や数字の世界を学んできましたね。売り上げなどの数字を見ると、どんなエリアにある店舗か分かるようになっちゃうんですよ。例えば、お弁当でも若い人が多い地域では肉系のものが売れたり、年齢層が高い地域では別の売り上げが高かったり、それが全部、数字として出てしまうんですよね。でも、私が言いたいのは、それだけじゃなくって、個人的にはコンビニというものは「人間学」そのものだと思うんです。経営者が実際に表に出て、お客さまの動向や趣向を肌身で感じていないとダメなんですね。どの商品がどんな人に手にとられるのかを見ること。事務室でパソコンばかりを眺めていてもだめなんですよね。でも経営者は「昔はこうだった、昔は・・・」という古い体質を残している人が多いので、そんな部分をどう変えるか、変るかがポイントでした。私は正直だから、経営者には率直に「その考えは、やめた方がいい」と進言したりもしましたね。


〜凄いなあ、モノを売るということに関して、とても勉強になるお話しです。コンビニから道の駅…。大きな転換ですよね。決断に至ったきっかけってなんですか?


山:先程も言ったように、自分の生まれた町もすぐ近くで「地元志向」だというのが一番の理由ですかね。いきさつとしては、この施設は当初、物産館としてオープンしたんですけど、その計画段階の「準備室」の時には、館長として別の方が決まっていたんです。
それがどういうことなのか、その方がオープンの直前に「身を引く」ということになったそうで、急遽、私のところにお話しがきたんですよね。私が来たのが平成17年2月なんですが、もう4月末にはオープン。そんな差し迫った状態なのに、システムも無い、テナントも未定、出品農家さんも数名だけ…。決まっていることと言えば「パン屋とカフェ、お魚を扱いたい」ということだけ(苦笑)。そりゃあもう、かなり大変でした。オープンまでに、何とか店内を商品で埋めなければ!ということに必死だったことを覚えています。スタッフを見ても経験もない人ばかり…。若い人の力や知恵も借りながら、なんとかここまでやって来たというのが実際のところなんです。


〜ほとんどゼロ。というよりもマイナスからのスタートと言ってもいい状況ですね。具体的な苦労話、聞かせていただけますか?

山:はい…(苦笑)。実際のオープンは、ゴールデンウィーク真っ最中ということもあって、かなり賑わっていたので「もしかして、いけるかな?」と思ったんですが、一番お客さまが多いはずの夏の時期には、ガランとしてしまったり…。
 だけど、・・・・・・・・・・    次ページへ >>>>




●石釜で焼くパンのお味は、とにかくクール!
 季節限定の商品も盛りだくさん!

●駅長の山口さん:若い従業員さんを引っ張る頼もしいリーダー。

●店内には、おしゃれなケーキやさんもあったり…。